程度にもよりますが、軽度と思われるPMSの場合、セルフケアでも改善が見込めます。
ここでは食事によるセルフケアPMS食事改善法を紹介します。
目次
PMSを改善するための必要な栄養素
ビタミンB6は効果てきめん!ビタミンB6を多く含む食材NO.1とは?
PMSの気分関連症状緩和へのビタミンB6の潜在的な有効性は、神経伝達物質の生合成における補助因子としての役割による可能性がある
出典元:厚生労働省/ 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」HPより
公的文書の中にも「ビタミンB6の充分な摂取は、神経伝達物質のレベルを下げます」と有ります。
つまり、ビタミンB6は、PMSの症状の一つである、「ちょっとのことで怒りっぽくなる」、「イライラ」や「情緒不安定」などの諸症状緩和に役立ちます。
しかし、ビタミンB6は、たくさん摂取しても水溶性ですので汗や尿と一緒に体外に出されてしまいます。ビタミンB6は、体内にとどめておけないため、適度に毎日摂取することが肝心です。
ビタミンB6は、おもに肉類や魚類に多く含まれています。野菜にも含有量の多いものがあります。かぶの漬物、まぐろなどに含まれていますが、もっとも含有量が高い食材は「ニンニク」です。
ですが、女性ならず気になるのはニンニクの臭いですよね。リンゴは臭い消しに良いと言われています。リンゴのジュースよりもりんごを皮付きで摂取するのがベターなようです。りんごを1/4以上摂取すれば十分であると言われています。お弁当のデザートに少しむいていっても良いかもしれませんね。
マグネシウムも必須栄養素のひとつ!お酒のお供に人気な「あの食材」に多く含まれる?
マグネシウムは、神経伝達物質の正常な働きを保持するのに主要なミネラルです。マグネシウムの十分な摂取はイライラや抑うつ感等を和らげると言われています。
マグネシウムは野菜・豆類・魚介類・海藻類・種実類などに多く含まれています。加工された食品などでは一般的にマグネシウム量は減少してしまいます。PMSの患者さんの多くが「マグネシウム不足」といわれています。
改善するためにはまず、食品に含まれているマグネシウムを減らさずに、上手に摂取する必要があります。飲酒やストレスは、マグネシウムの吸収を阻害してしまいます。
お酒を飲むときは枝豆や落花生などのマグネシウムを含む食品を多く食べるようにすることも大切です。枝豆や落花生は、お酒のお供におすすめの食材です。
イライラ予防のカルシウム、日本人の摂取量は不十分?
カルシウムは、感情の変化や痛みの症状緩和に有効な栄養素ですが、日本人のカルシウム摂取量は十分ではないという報告が有ります。
日本の水は軟水でカルシウムの含有率が低い特徴があります。伝統的な和食には乳製品が少なく、これも一つの要因として考えられます。
牛乳など乳製品はカルシウム摂取の方法としてもっとも効率が良いと言われています。牛乳のカルシウム吸収率は約40%です。他の食材と比べると多く吸収できることがわかっています。
カルシウム摂取には、豆腐や納豆などの大豆製品、骨ごと食べられる小魚、ひじき・わかめ・のりなどの海草類、小松菜やちんげん菜などの緑黄野菜も良いと言われています。
カリウムは「利尿効果」でむくみをとる!
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も、また、ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎ調節にも役立ちます。
カリウム不足は脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。なお、大量に摂取した場合でも体内の調節機構が働くので、通常、カリウムが過剰になることは稀です。PMSによる「むくみ」改善に効果があると言われている成分がカリウムです。
カリウムは、体内の塩分と水分をくっつけてくれる働きがあります。カリウムと水分を同時摂取することで、尿として体内の塩分を水分と一緒に体外に排出できるわけです。
○ナトリウムによる血圧上昇を抑制する。
○筋肉の収縮を円滑にする。
○腎臓における老廃物の排泄を促すなど
PMSによる「むくみ」改善に効果があると言われている成分がカリウムです。
No1:野菜のようで、木になる果実-アボカド/約720mg
No2:臭いことで有名な果物の王様-ドリアン/510mg
No3:日本の果物消費量ナンバーワン-バナナ/360mg
No4:品種的な違いメロン-露地メロン/350mg
No5:別名ドラゴンフルーツ-ピタヤ/350mg
※食品100g当たりのカリウムの含有量 単位:mg
皮をむいて食べるだけの手軽さで言えば何と言っても「バナナ」でしょうか。
食べても良い食品!?食べない方が良い食品?!
大豆は食べ過ぎないほうが良い…?
大豆に多く含まれるイソフラボンは、卵胞ホルモンに似た作用で一時注目されました。けれど卵胞ホルモン(エストロゲン)が増えることは、PMSの原因の一つだともいわれています。
大豆製品の過剰摂取は、PMSの悪化をもたらします。毎日の食事で食べるのは問題ありませんが、サプリメントと併用、または大豆製品の大量飲食は避けるほうが良いようです。
イソフラボン過剰摂取は子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人病リスクを高めることもあるようです。
甘いもの、塩分、アルコールはなるべく控えめに
甘いものが無性に食べたくて食べたくて「もう限界。我慢できない!」けれども甘い物の過剰摂取は、血糖値の急上昇につながりそして、血糖値の激しい変動から落ち込んだり、イライラを起こしやすくする要因ともなります。
しかし、過剰摂取が良くないだけであって、菜っ葉ばっかり食べてれば良いとか、塩分・脂肪摂取はNGなど、そういった極端な考えはやめましょう。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」と漢字では書きます。度が過ぎることは、足りないことと同じくらい良くないということを現しています。
糖分を控えすぎて不整脈。生きていく為には塩分も必要です。人それぞれに合った食べる量や必要な量があります。こういう物を、このくらい食べると良いでしょうという正解はあるようでありません。
人それぞれ体格も体質も違います。もちろん、老若男女の違いも。あくまでもバランスが重要、ということです。
セルフケアで症状改善
PMSには良く効く「薬」があります。比較的軽い症状の人や出来れば薬を飲まずに済ませたい方などにはセルフケアを行ってみる価値はあります。
しかし、月経前は必ず寝込む、会社を休むというような症状の方には受診されることをお勧めします。セルフケアしても改善せずなお、症状がつらい場合には受診を!