こんにちは、サイコセラピー研究所 研究員 音楽療法担当のDr.Chikaです。
サイコセラピー研究所TVのBGMを担当させていただいていますが、
リラックスのためのオリジナルBGMの制作を行う傍ら、最近のドラマ・映画の主題歌などの話題の曲や、私が好きなビートルズの曲など、様々な曲をリラックス用にピアノでカバーアレンジ・編曲をさせていただいております。
ピアノの音色でカバーした曲を、日常の様々なシーンで気分に合わせてご活用いただけるようにテンポを調節し、目覚めのためのアップテンポ・リラックスのためのミドルテンンポ・眠りのためのスローテンポで配信しています。
今回はリラックスBGMのカバー曲の編曲作業について、簡単にご紹介させていただきます。
カバーアレンジの制作の作業~曲を聴いてから、録音・編曲まで
カバーアレンジの制作にとりかかる際に初めてその曲を聴く場合も多くありますが、ある曲を初めて聴いてから、どのようにピアノのカバー音源データが作られるのか、制作過程について、簡単にお伝えいたします。
音源制作の作業の大まかな流れは以下のようになります。
*作業の流れは楽器の種類や録音の仕方によっても異なるため、あくまで私が行っているmidi鍵盤を使ったコード弾きでのピアノアレンジの作業の一例です。
*midi録音については、こちらの記事の最後でお話をさせていただきます。
1.カバーする曲を、曲の構成を意識しながら最後まで聴く。
2.カバーする曲の音源とコード譜を用意する。
*Youtubeなどで検索。原曲が見つからない場合はカバー音源を参考にすることもあります。メジャーな曲であればコードもインターネット上で公開されていることが多いです。主旋律(歌メロ)とコードが把握できれば、制作作業は可能です。
3.パソコンでDTM(デスクトップミュージック/音源編集用のソフト)を立ち上げ、新規のプロジェクトの制作画面を開く。
*DTMソフトはいろいろなものがあり使い方が多少異なりますが、編曲で行う基本的な操作は同じです。
4.パソコンとmidi鍵盤を接続し、音源を聞き、コードを見ながら、鍵盤を弾いて録音する。
*初めて聴く曲の場合は特に、少しずつ区切りながら音源を聴き、録音を進めます。録音手順にきまりはありませんが、私は主旋律とコードを分けて録音しています。ポピュラーミュージックの場合はとくに、midiデータを1コーラス分(1番・曲の中の一区切り)だけ録音すれば、残りの繰り返しの部分はデータをコピー&ペーストして編集を加えることで作成することも可能です。
4.録音したデータを編集して曲の流れをつくる。
*データをつなげる・タイミングを調整するなどの作業で、メロディとコードでの曲の流れを作ります。また、ハモりのメロディを加えたりします。音源データの「素材」を整え、アレンジを加える過程です。私の場合はメロディを楽しめるように主旋律を3オクターブで重ねたり、ハモりのメロディをつけたりします。
5.ミックスをする。
4で作った曲のデータを、トラックを増やして音を厚くしたり、左右に音が聞こえるように位置を振り分けたり、音量を調整したり、エフェクトをかけたります。
*音楽制作で音にかける主なエフェクトには、強調する音域を調整するイコライザー・音圧を調整するコンプレッサー・響きを調整するリバーブなどがあります。このミックスの作業に更に習熟することが編曲のプロへの道なのですが、youtubeにアップする音源の制作では基本的なエフェクト調整が行えるだけでも、録音音源のままよりは十分に聞こえ方を変えられると思います。
6.音源データ全体の最終調整を行う。
*全体を通して聴き、音のバランスや響きなど音源全体を確認します。また、データのテンポを確認・調整します。リラックスのためのミドルテンンポ・眠りのためのスローテンポに変更する調整はこの段階で行います。
7.音源データを書き出す。
音源データを書き出します。データの形式にはWAVEファイルやmp3,AIFFなどがあります。
8.再生・確認する。
書き出した音源を聴いて確認します。再生環境によって聞こえ方は多少変わるため、6でDTMの編集画面で確認した時の聞こえ方とはバランスが違って聞こえる場合もあります。再度調整が必要な場合は、6に戻って再度調整を行います。
このような作業が、編曲の主な流れです。
今回はピアノでの音源のお話ですが、録音する楽器の音色が増える程、録音・編集・ミックスの作業量が増え、作業時間も長くなります。
オーディオ録音とmidi録音
最後に、録音方法についての補足をさせていただきます。
録音の種類にはオーディオ録音とmidi録音がありますが、それぞれ以下のように、全く異なる録音方法です。
オーディオ録音
空気を振動させている演奏の音をマイクで拾ったり、楽器とオーディオインターフェースという録音機器をラインでつなげて、演奏した音をそのまま音として拾って録音します。演奏の音をそのまま録音できますが、録音した後に音の長さ・大きさ・リズム・音程などを自在に修正ができないため、少しのミスでも録り直す必要があり、時間がかかる事もあります。midi録音が行えない歌やギター等の弦楽器はオーディオ録音が必須になります。(最近ではギターもmidi録音で本物に限りなく近い音色で演奏するソフトもあるようです。また、初音ミクなどのボーカロイドはmidiデータとして制作します。)
midi録音
パソコンとmidi録音用の鍵盤をつなぎ、ひとつひとつの音を音程・強さ・長さを規定したデータとして録音します。普通に鍵盤を弾く感覚でも録音できますし、必要な音や小節だけを少しずつ録音することもできます。弾いた全ての音が自動的にデータとしてDTMソフトの画面に表示され、録音後にデータの編集を自在に行えます。(今回はこちらのmidi録音での制作過程について、お話をさせていただきました。)
パソコンとmidi録音用の鍵盤をつなぎ、ひとつひとつの音を音程・強さ・長さを規定したデータとして録音します。普通に鍵盤を弾く感覚でも録音できますし、必要な音や小節だけを少しずつ録音することもできます。弾いた全ての音が自動的にデータとしてDTMソフトの画面に表示され、録音後にデータの編集を自在に行えます。(今回はこちらのmidi録音での制作過程について、お話をさせていただきました。)
普段なんとなく耳にする音楽ですが、その制作過程の大まかな流れ・編曲の作業について、簡単にご紹介をさせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Dr.Chika