認知行動療法の大きなメリットは、手法を覚えれば、自宅内で単独で行えることです。しかし、専門家の指導の元で計画的に治療を行えばより大きな効果を得られます。
今回は東京で認知行動療法を行うにはどんなところがあるか、調べてみました。
目次
精神科・心療内科等の病院
認知行動療法は健康保険が適応される為、心療内科で行えます。しかし都内には多くの心療内科の病院があるものの一度の認知行動療法のセッションを行う為には30分以上の時間を要するため、実際に医師とマンツーマンで行える病院の数はかなり限られます。
病院で認知行動療法を行う場合、臨床心理士が担当する場合がありますが、臨床心理士が認知行動療法を行った場合、医療行為とみなされないため自費診療となってしまいます。
集団認知行動療法を受けられる病院を探す
病院で認知行動療法を受ける際の問題点として、セッションに多くの時間を要するため医師によるマンツーマンによる治療が困難な点と臨床心理士が認知行動療法を担当する場合、保険が適用されず自費診療となってしまう点です。時間的な問題点と、金銭的な問題点をカバーできるのが集団認知行動療法です。集団認知行動療法は以下のメリットがあります。
・同じ悩みを持つ人同士お互いを助け合い、意見交換をすることでより高い効果を得ることができる。
・同じ目的を持つ仲間と行うことでモチベーションを維持することが出来る。
・ほかの参加者の考え方等を知ることで共感したり、客観的な視点に気づける。他の患者さんが病状を克服する過程をみているうちに、自分もできると感じられる。
都内で集団認知行動療法を受けられる病院
例えば、上記の病院では集団認知行動療法を受けることができます。医師の立会いの元で行われるため保険が適応されます。別の病院に通っている場合、かかりつけの医師の紹介状があれば、転院せずに参加することができる場合があります。それぞれ回ごとにテーマを決めながら進行するため。途中参加ではなく、第一回目から取り組むことが望ましいです。
非医療系のカンセリングルームを使用する
非医療機関のカウンセリングルームを使うことも一つの手段です。通常の医療行為と違い、認知行動療法を行うには必ずしも専門的な資格を要しません。
その為都内の多くの民間のカウンセリングルームが認知行動療法を行えることを謳っています。 しかしそれらのカウンセリングルームに所属するカウンセラーの全てが十分な認知行動療法の知識と経験を持ち合わせているか不安ですよね。
誤った手法を用いると、症状がさらに悪化する危険性があります。値段の安さ、手軽さ等で判断せず、選択は慎重に行うことが望ましいです。
大学付属のカンセリングルームを利用する
最低限の知識をもったカウンセラーの元で認知行動療法を行いたい場合、大学等が運営するカウセリングルームを使用することが一つの手段です。大学のカンセリングルームを利用するメリットとして以下の点があげられます。
カウンセラーが臨床心理士の資格を持ち合わせている
大学がカウンセリングルームを運営している場合、所属するカウンセラーは臨床心理士の資格を持つ場合がほとんどです。
料金が安い場合がある
大学のカウンセリングルームを使用する場合、大学院生など心理学を専攻する学生等が研修の一環としてカウンセリングに立ち会う場合があります。その為料金が病院などの自費診療と比較して安い場合が多いです。
都内で大学が運営しているカンセリングルームの例
上智大学 臨床心理相談室
料金 1名1回につき、3000円
早稲田大学人間科学学術院
料金 1名1回につき、3000円
カウンセリングを受ける前に、認知行動療法を受けたい旨を必ず伝えるようにしてください。
まとめ
・認知行動療法は医療保険が適応され、医師や看護師が行う際は、3割負担で受診できます。
・現状では都内で医師が一人の患者に長時間を割ける病院はかなり限られます。
・医療機関で認知行動療法を受ける際は臨床心理士が対応する場合が多く、その場合全額自費診療となります。
・一部の病院では集団認知行動療法を行うことで、時間、費用の問題をカバーしていますが実施されている病院は多くはありません。
・非医療機関系のカンセリングルームの中には認知行動療法を行えることを謳うところがありますがその全てが、正しい認知行動療法の知識と臨床経験をもっているとは限りません。
・大学の運営しているカウンセリングルームは、学生などが実習として立ち会うことがある一方費用が安く設定されていることがあります。カウンセラーも大学などで知識を身につけた臨床心理士である場合がほとんどです。