発達障害の人は、コミュニケーションが苦手です。
そのために、相談できる友人もいなくて、一人で思い悩み、出口のない負のスパイラルに落ち込んでしまう人もいます。
ネッコとブラッツは、そんな成人発達障害の人を対象にしたカフェとバーです。
そこは、発達障害の人が、ホッとできる安らぎの止まり木の場所とも言えるでしょう。
目次
大人の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)
ピアサポートというのは、同じような立場の人によるサポートのことです。
ネッコのオーナーもアスペルガー症候群の女の子をもって、子育てに格闘した経験のある当事者の一人です。
ネッコの雰囲気
ネッコは早稲田キャンパスにほど近い早稲田通りにあります。階段を上がって店内に入ると、発達障害や自閉症に関する書籍が並んだ本棚が目につきます。ネッコは美味しい本格珈琲を飲ませるカフェであると同時にブックカフェでもあるのです。
正面に大きなイベント用のスクリーンがあり、パソコンなどで作業するスペースも用意されています。
店内を見渡すと、静かに本を読んでいる人もいれば、パソコンやスマホの作業に没頭する人もいます。
話している人は、この店で知り合った人でしょうか。
というのも、ネッコでは話をしている人がいればその中に入って話をしていても良いことになっていますから、この店で話仲間になったという人は少なくないようです。
昼はカフェ、夜はフリースペース
昼の12時~18時までがカフェ、夜はフリースペースです。
カフェで出される「モカ」、「ケニア」といったコーヒー豆は自家焙煎されていて、1杯ずつ丁寧にペーパードリップされています。
アイスコーヒーも、24時間かけて仕込んだ「本格水出し」です。
このほか、オリジナルブレンドのハーブティーやオレンジジュース、クッキーなどメニューも用意されています。
夜の18時~22時は、フリースペースとして解放されています。
おしゃべりをしたり、本を読んだり、仕事や勉強したりなど、 各々が自由に過ごすことができます。
嬉しいのは、フリータイムは飲食物の持ち込みができるということです。
近くの店でテイクアウトを買ってきて、ネッコで夕食、という人もいます。
フリータイムには様々なイベント
ネッコでは、フリータイムにさまざまなイベントが開催されています。
たとえば、茶話会、アナログゲームの会、就活セミナー、親の会、フラワーアレンジメント、音楽LIVEなどなどです。
大学の近くということもあって、BeU 主催のイベントも行われます。
BeU というのは、主に大学生の発達障害当事者を支援している団体です。<
今年の1月の試験の時期には、マルチタスクが苦手な大学生の発達障害者を対象にした「忙しい時期の切り抜け方を考えよう!」というテーマのイベントが開催されました。
普段話せないことも話せる場でのイベントですが、他の人を非難したり、自分の意見を押しつけるようなことはしないこと。疲れて体調が悪くなってしまったら、いつでもスタッフに声をかけて休憩や早退をしていい、というネッコならではの配慮がなされています。
アクセス
Necco(Neccoカフェ)
・〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-18-21 羽柴ビル202
・TEL/FAX:03-6233-7456
・メールアドレス:necco@live.jp
・東京メトロ副都心線 西早稲田駅より徒歩5分
・JR山手線・東京メトロ東西線・西武新宿線 高田馬場駅より徒歩10分
(定休日:月曜日)
なお、イベントの参加するためには、事前に申し込む必要がありますから、店のスタッフに前もって連絡してください。
口コミ情報
・口コミ情報1
珈琲がおいしい
ネッコで一番気に入っているのは、珈琲がおいしいこと。
中でもおススメは24時間水出しの本格アイスコーヒーです。
スタッフの対応がフレンドリーで、障害の有無にかかわらず、多様性が認められるので、安心して時間を過ごせます。
今では、店に通うようになって、知り合いになったかたとざっくばらんな話ができるようになりました。
・口コミ情報2
自分を見つめ直せた
「自己の感情を分析する会」に参加しました。
余計なことを考えずに、とにかくひたすら頭に浮かんだことを紙に書き殴っていくことで、自分の本音の部分を書き出すことができて、自分と向き合うことができたと思いますね。やらなきゃいけないこと、やらされていること、社会の常識、ええかっこしいなどにとらわれず、しっかり自分の本音と向き合うことができる。
そして自分の本当にやりたいことをみつけられる。さらにそれをみんなの前で発表することは、この自分で自己分析した感覚をしっかり自分でいったん整理することになる。
そうやって自然と自分のやりたいことを見つけられる、素晴らしい会だったと思います。
・口コミ情報3
心から楽しめた会
本当はイベントに参加するには事前申し込みが要るらしいが、飛び入り参加を許可していただいた。ありがとうございました。
主催の方から自分の名札を受け取り(事前に名札を準備していただいけるのはうれしいですね。ありがとうございます!)、最初に1人ずつ自己紹介をする。
それからは各テーブルにお茶やお菓子を配られて、それをつまみながら各テーブルで思い思いに会話を楽しんでいく形です。
初めての参加でしたが、とても楽しかったですね。
今回のイベントに参加された方々は、自立した、社会性のある考えを持っている人が多くて、神経をすり減らすことなく、自分も心から楽しめ、かつ充実した有意義な時間を過ごすことができました。
Twitter情報
ネッコでお茶して、その後そこで
合流した方々と一緒に発達障害バーへ!ネッコでは
発達だけど一般就労で頑張って
いらっしゃる方にお会いできて
嬉しかったな~。発達バーでは
混んでなかったのもあって
落ち着いてじっくりお話しできた。
恋愛とか、子供とか、仕事の話とか…
勉強になった!— みっちゃん(ADHD) (@pino_27s) 2018年2月25日
コミュニティカフェバー 発達障害バー・ブラッツ(BAR The BRATs)
バー・ブラッツは、ADHDや自閉症スペクトラムなどの発達障害で生きづらさを感じている人たちのアジール(避難所)、あるいは就活や仕事で社会にストレスを抱えている人達の悩みを分け合うコミュニティー・バーです。
ブラッツの雰囲気
青山通りに面した場所にある明るい店です。
可愛い女の子がいるからでしょうか、賑やかに盛り上がる店です。
立地にふさわしい洒落っ気もあります。
発達障害の人たちにバーという感じがしない、というのが第一印象です。
ブラッツは、発達障害の人たちがどうやったらうまく社会に溶け込めるかをテーマ―にしています。中でも、最も支援が行き届いていない就労している方をターゲットにしていまが、就労していない方もたくさん来店されています。
社会のルールに馴染めず、失敗した経験のある人、今なお社会や職場とのズレを感じて鬱屈し、ストレスを溜め込んでいる人たちの気分の解放区のようなバーです。
営業日は木・金・土曜日
バーとしての営業日は木・金・土曜日の19時~21時。
金曜日と土曜日はかなりこむことがあります。
聴覚過敏の方や、ゆっくり落ち着いてお酒を楽しみたいという方は、木曜の二部(22時~24時)からの時間帯がおススメです。
なお、昼間にもランチタイム・メニューで営業しています。
イベントの企画もOK
発達障害に理解のあるプレイヤーの演奏も楽しめます。
ジャズ、クラシック、弾き語りなど様々なイベントが行われるほか、たこ焼きパーティー・唐揚げイベントなどもあります。
お客がイベントを企画することもできます。
ブラッツの「出禁」ルール
誰でも受け入れる、というのが基本ですが、中には他のお客様に迷惑がかかるようなトラブルもありました。
そこで、ブラッツでは以下のようなおおまかな出禁(出入り禁止)ルールを定めています。
このルールに守られて、安心して飲める場が確保されたといっていいでしょう。
1)発達関係のお店を出禁になっている方
2)元スタッフ関係者の方で人間関係のもつれ(友人関係・恋人関係など)から出禁になったケース。
3)物理的(暴力やセクハラ)接触があり、スタッフが注意後も改善されない場合。
4)SNSによるこちらが悪質(スタッフに対する名誉棄損に該当する個人攻撃など)だと判断した投稿があり、こちらが注意しても改善がみられない場合。
アクセス
・東京都渋谷区渋谷2-9-10 青山台ビル地下1階
・渋谷駅徒歩7分
・表参道駅7分(B1出口)(千代田線・半蔵門線・銀座線)
・渋谷二丁目(渋88[都営バス])徒歩2分
・URL:https://brats.shopinfo.jp/
口コミ情報
・口コミ情報1
若くてきれいな従業員
店の従業員は3、4人ぐらいでしたが、ツブぞろいでしたよ。
ただ、彼女たちはマルチタスクが苦手な発達障害ということで、やや抜けたところもあったのですが、それもまた愛嬌があっていいですね。
若くてキレイな女性のお客さんも何人も来店されていて、華やかな雰囲気でした。
・口コミ情報2
大人のバー、かな
発達障害の自助会、当事者会とかに比べると、比較的、話し好き、社交的な人が多いという気がしました。
バー自体がオシャレで、スタイリッシュで明るくて、話しやすい雰囲気です。
大人のバーだな、と感じました。
Twitter・SNS情報
発達障害バーBRATs、いい感じに発達障害者どうしのオフの場になって有り難い。
— ミムラ姉妹 (@SMymla) 2019年2月4日
気持ちの解放区
誰かと話したいと思っても話し相手がいない。
相手がいたとしても、悩みを理解してもらえない。
発達障害の人たちの気持ちは、孤立して、堅く縮こまっています。
こうした発達障害者特有の悩みを受け入れ、共有し、解放してくれるのが、ネッコやブラッツのような場所です。
気分が向いたら、思い切ってドアをノックしてみてはどうでしょうか。