PMS(月経前症候群)の症状は、いつからいつまで続くもの?


だるさ、イライラ、頭痛、眠気と不眠などなど生理前にあらわあれてくる身体と精神の不調がPMSです。

今回は、PMSの期間についてまとめてみました。

排卵、生理の日がポイントになる

いつから、いつまでの基準となるのが排卵日と生理の始まりの日です。

生理の周期について

まず、標準的な生理の周期についておさらいしておきましょう。

1)月経期
生理開始から1週間ほどが月経期です。この時期は、女性ホルモンの分泌も少なく、基礎体温も低い状態です。月経期になるとPMSの症状は治まってきます。

2)卵胞期(基礎体温・低温期)
生理が終わる頃から1週間前後に始まる排卵期までの期間が卵胞期です。この時期は、女性ホルモン・エストロゲンがたくさん分泌される時期です。心身ともに調子が良く、肌つやも潤い、一月のうちでもっとも生き生きと過ごせる時期です。

3)排卵期(基礎体温・低温期⇒高温)
卵胞期の後の1週間前後が排卵期です。排卵を境に、今までたくさん分泌されていたエストロゲンが減りプロゲステロンが増え始め、基礎体温も上がりはじめます。人によっては、この時期からPMSの症状があらわれてきます。

4)黄体期(基礎体温・高温期)
排卵期の後から生理までのほぼ2週間前後が黄体期です。この時期はプロゲステロンが多く分泌され、その影響でPMSの症状があらわれてきます。

PMSは黄体期にあらわれる

PMSは排卵期の後の黄体期と呼ばれる高温期に起こります。次の生理の予定日を基準にすると10日前くらいからPMS状態が始まります。黄体期の長さには個人差がありますが、排卵日から10~16日前後です。

症状が現れるタイミングは排卵と生理の日に関係している

すでに述べているように、PMSがあらわれる時期は、排卵期と生理の始まる日に関係しています。

基礎体温の変化をもとに排卵期の終わりの時期がわかれば、PMSの始まりの日が予測できますし、逆に生理予定日から逆算してその2週間前くらいを予測することができます。

ただし、後述するように排卵期の状態には個人差があります。

排卵日のポイント

排卵日は、次の生理が始まる大体2週間前、12~16日前くらいになります。排卵期は1週間弱の期間で、この後の黄体期がPMSの期間ということになりますが、人によっては、排卵日と関係なく、むしろ次の生理予定日を基準にして、その少し前から始まるケースもあります。

PMSが治まる時期

生理がはじまると次第に症状が軽くなり、3日目あたりでなくなるというのが一般的です。しかし、ここにも個人差があり、生理が終わるまでPMSに悩まされるという人もいます。

ストレスの影響も

それにしても、PMSの期間にどうしてこんな個人差があらわれるのでしょうか。この個人差の原因はまだはっきり解明されていません。

PMSの原因の一つに黄体期に分泌されるプロゲステロンが関与しているのではないかと考えられていますが、このほかにストレスの影響も無視できません。

強いストレスにさらされると症状が悪化するするケースもあり、そこから個人差があらわれるとも考えられています。

PMSのタイミング、期間とPMS対策

PMSの始まりの時期や期間には個人差がありますが、大きく分けると、4つのタイプに分けることができます。

基本的な4つのパターン

PMSの期間と終わりの時期は、以下に示すように4つのタイプにわけられます。

●タイプ1:生理一週間前⇒生理開始後
生理の一週間前から始まって、生理が始まったら治まっていくタイプです。ほかと比べると短い期間です。

●タイプ2: 排卵日⇒生理開始後
排卵日から症状が始まって、生理が始まると終わるタイプです。

●タイプ3:排卵日前後+生理数日前⇒生理開始後
排卵日をピークとして症状があらわれ、いったん症状が治まったものの生理の数日前になるとまた症状が現れて生理開始後まで続くタイプです。PMSの期間は短いもののPMSが2度あらわれるタイプです。

●タイプ4:排卵日⇒生理終了まで
排卵日から始まり、生理が終わるまで続くタイプです。期間的には一番長いタイプになります。

症状を抑える方法も

PMSの原因ははっきりとは解明されていませんが、女性ホルモンが関与しているのではないかと言われています。このほかにストレスがたまるとPMSの症状が重くなることも指摘されています。

従って、ストレスを解消する様々な方法が、そのままPMSを軽減、緩和させる方法の一つとなります。症状を緩和させるいくつかのポイントを列記しておきます。

1) 規則正しい生活
2) バランスのよい食生活
3) 適度の運動
4) 音楽、読書などによるストレス発散
5) 質の高い睡眠の確保
6) 節酒と禁煙

PMDDの場合は・・・

PMSに関連した症状にPMDD(月経前不快気分障害)があります。PMDDとPMSは、どちらも生理の周期に繰り返し現れる症状という点では同じですが、症状が異なります。

その違いを簡略に整理すると、PMDDはPMSが重症化したもの、あるいはPMSであらわれる精神症状がより強くなったものです。PMDDは、生理前になると攻撃的、暴力的になり生活に支障をきたすレベルまで精神症状が悪化することがあります。

PMDDは専門の医療機関での治療も

PMSもPMDDも辛い疾患であることに変わりはありませんが、PMSは精神症状に限れば、ほとんど軽度です。

また、PMSの場合、医者にかかるまでもなく、生理が終われば症状も治まりますし、日常生活の中での自前の対策で症状を緩和することも可能です

しかし、PMDDでは、うつ状態になり、会社に出社できないレベルまで精神症状が悪化するケースがあります。症状が場合には、専門の医療機関での治療が必要になってきます。

自分のタイプを把握しておきましょう

PMSは女性特有の辛い症状ですが、そのあらわれ方や期間は個人差があります。そのため他の人と比べて自分の症状や期間がことなるために、不要な不安を抱く人もいるようです。

自分がどのタイプのPMSなのか事前把握しておけば、不安も少なくなり、PMSを上手に乗り切る手立ても浮かんでくるはずです。


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