内閣府の調査によると、ストレスを感じていると回答した人が全体の57.5%と、過半数を占めています。
年齢層別に見ると、
40代69.1%、30代66.5%、20代64.1%、50代61.0%と続いており、10代でも52.0%が「ストレスを感じる」と回答しています。
また、「ストレスを感じる」と回答した人に対して、その理由を尋ねると、
■「収入や家計に関すること」(39.9%)
■「仕事や勉強」(38.3%)、
■「職場や学校における人間関係」(34.4%)などが挙げられ、個人によって様々な要因が影響していることが分かります。
ストレスを感じると回答した人の割合は、2003年以降5割前後で推移しており、ほぼ半数がストレスを感じながら生活をしていることが分かります。
目次
そもそもストレスとは「何」?
実は、イヤなことも、楽しいことも、つらいこともすべてストレスです。「心と体に受けるありとあらゆる刺激=ストレス」 です。
ストレスの種類とは?
大きく分けて2種類、肉体的ストレスと精神的ストレスです。
激しい運動をした後に感じる疲労は「肉体的ストレス」です。転んだときに擦りむいてけがをしたときに感じる痛みも、肉体的ストレスです。疲れを回復させるために、私たちは治療をしたり、睡眠を取ったり、お風呂に入ったりします。肉体的ストレスは、回復しやすい傾向のものです。回復法がはっきりしていますから、対処もしやすく時間とともに自然と回復へ向かうことが大半です。
精神的ストレスが大問題です。テストで悪い点なら、落ち込みます。友人と喧嘩をして苛立ちます。そりの合わない人と一緒なら、人間関係に悩み苦しみます。
精神的に怒り、苦しみ、悲しみ、苛立ち、落ち込みを感じ、それがストレスになっています。ストレスと認識している事の多くが、精神的ストレスです。すぐには、また容易に回復させることが難しく、少々たちが悪いと言えます。
原因も様々です。こんなことまで? と思うような原因が多々あります。原因があれば必ずストレスにつながるかと言うとそういうものでもありません。
暑さが苦手な人には暑さはストレスになりますが、暑さが好きな人にはストレスになりません。 ジャズ好きな人にジャズを大音量で聴かせたら、ノリノリでしょうが、クラシック好きな人に演歌を大音量で聴かせたら、ストレスになります。叱られれば、落ち込んで自分を責めてしまう人もいれば、 テキトーに聞き流して案外ケロッとしている人もいます。
個人個人の身体面(肉体面)の違い、性格や思考パターンで大きく違ってきます。
ストレスに強い人の特徴は?
イヤなことや不愉快なことがあっても気持ちを直ぐに切りかえられる。どう見られているか、どう評価されているかをあまり気にしない。これらはストレスに強い人の傾向です。
自分らしく自然体でいられる人、他人は他人、自分は自分と割り切っている人は、比較的にストレスをためこまず、心も体も元気でいられます。
ストレスが原因の病気とは?
ストレス反応が慢性化すると、まず活気が低下して、元気がなくなります。そして、解消されず慢性化すると、イライラが募り不安感を覚えるようになります。
最終的には気分が落ち込んだり、ものごとがおっくうになるなど、いわゆる「うつ」の状態に近づいていきます。
下図は、ストレスに関連していると考えられている疾患(心身症)のうち、代表的なものです。普段見たり聞いたりするさまざまな疾患がストレスに関係していることがお分かり頂けると思います。(これらの疾患の原因がすべてストレスによるわけではなく、たとえば同じ高血圧にしても、ストレスによる場合とそうでない場合とがあります。もしストレスが関係していると判断される場合には、体の治療とともに、ストレス状態の改善についても考慮する必要があります。)
部位 | 主な症状 |
---|---|
呼吸器系 | 気管支喘息,過喚起症候群 |
循環器系 | 本態性高血圧症,冠動脈疾患(狭心症,心筋梗塞) |
消化器系 | 胃・十二指腸潰瘍,過敏性腸症候群,潰瘍性大腸炎,心因性嘔吐 |
内分泌・代謝系 | 単純性肥満症,糖尿病 |
神経・筋肉系 | 筋収縮性頭痛,痙性斜頚,書痙 |
皮膚科領域 | 慢性蕁麻疹,アトピー性皮膚炎,円形脱毛症 |
整形外科領域 | 慢性関節リウマチ,腰痛症 |
泌尿・生殖器系 | 夜尿症,心因性インポテンス |
眼科領域 | 眼精疲労,本態性眼瞼痙攣 |
耳鼻咽喉科領域 | メニエール病 |
歯科・口腔外科領域 | 顎関節症 |
「日本心身医学会教育研修委員会編1991心身医学の新しい診療指針,心身医学,31(7),p57をもとに作成」
資料出典元:ストレスからくる病 – こころの耳 – 厚生労働省
ストレスの多い人は「完全(Perfect)」を求め、 ストレスの少ない人は「適当(Fit)」を求める
完全を求めようとすると、完全を際限なく求め続けねばならず、ストレスが溜まって行きます。
適当=Fitと英訳したのは、個人的な意見です。例えば、完全は衣服でいうと体にぴったり合う事。人の体も衣服もわずかずつですが変化(成長、伸び縮み)しています。完全にFitする時があってもそれは一瞬のできことでしかありません。
「まあ、これなら、ここならいいや」というような軽い気持ちや軽い妥協が大切です。完全(Perfect)を求めるのではなく、適当(Fit)を求めたほうが、ストレスは、少なく済みます。
「適当」には3つの意味合いがあります
● 上手く当てはめる
● ほど良い
● いいかげん
辞書で調べると「適当」という言葉には良い意味と悪い意味があります。適当には「ピッタリではない」という意味もあります。「適当」という言葉は 「ピッタリ(的確)ではない=いい加減」という意味合いに捉えられています。
例えば、お湯の温度設定であれば41度にピッタリ表示設定は出来ますがバスタブの湯温を41度にピッタリ保つのは至難の業です。
文頭通り、完全を求めようとすると、完全を際限なく求め続けねばならずストレスが溜まって行くにつながって行きます。
「適当」は悪いことではありません。いい意味で「適当」を目指すようにしましょう。
以下のような症状で悩んでいる方は専門家へ相談をおすすめします
以下のような症状が2週間以上続く場合には、「うつ」が疑われますので、専門家(精神科、心療内科)に早めに相談することをおすすめします。
● 趣味などが楽しめない
● 体重の減少または増加、食欲の減少または増加
● 寝つきが悪い、夜中に目が覚める、朝早く目が覚めてしまう、どれだけ寝ても眠気がとれない
● 気持ちが焦るイライラしやすい
● 疲れやすい
● 価値のない人間だと思う、周りに対して申し訳なく思う
● 思考力や集中力が低下する、決断が容易ではない。
● いっそのこと消えてなくなりたいと思うなど