静脈内注射における注意事項など

静脈内注射における注意事項など

皆さま初めまして。看護師をしております、Ns.K研究員です。DrCika研究員と同じ施設で働いています。

テストステロンは筋肉注射によって投与されます。それに絡めてというわけでもないのですが、今回は注射について看護師の立場から見てゆきたいと思います。ご同業で経験の浅い方を想定して書かせていただきますが、そうでない方にもご参考になればと思います。

注射方法の種類は様々です。

  • 静脈内注射:静脈内に留置した注射針から少量ずつ(一滴ずつ)投与する方法。
  • 筋肉内注射:医薬品を直接筋肉に注射すること。
  • 皮下注射:皮下組織の中に薬液を注入する注射方法。
  • 皮内注射:真皮内もしくは皮層実質中に薬液を注入する注射法
  • その他(抗癌剤などを直接病巣に到達させる動脈内注射や、脊椎麻酔の際に行われる脊髄腔内注射、ほかにも若齢動物や小動物に対して行われる腹腔内注射などがあります。)

看護師の場合、静脈内注射の手技を行うことが多いと思いますので、筋肉注射の前に、静脈注射について見ておこうと思います。

 

私が新人看護師の時に不安になったことが、以下の三点です。

1.注射を受ける側(患者様)の立場を考えると痛い。

2.患者様に”痛い”と言われたらどうしよう。

3.正確に静脈内注射が出来ているだろうか、

 

こうした不安は初めの頃は誰にでもあるものかと思います。しかし、私はプロ意識をきちんと持って手技を施行することが大切と考えます。相手の立場になってきちんと考えることは重要ですが、1番目、2番目のように『痛いかも知れない』と自身が不安になっていると患者様も不安にさせてしまいます。患者様から痛い、と言われた場合にどうするかは、しっかりと頭を整理しておきましょう(後にも触れますが、強い痛みの場合は抜去します)。3番目の『正確に静脈内注射が出来ているか』というのは、押子(プランジャ)を引き戻して逆血を確認することで正確性が増します。

 

やはり、たくさん勉強してきて国家資格を取得したのですから、自信をもって手技を施行することは大切です。

 

静脈内注射のポイントは注射する前にもあります。それは、どの血管に打つべきかという、『血管選択』問題なのですが、以下を注意します。

1.疾患等に応じて患肢側(麻痺など)を避ける

2.利き手側への穿刺は避ける

3.蛇行している血管や関節付近は避ける

4.できる限り太く、弾力のある血管を選択する

5.左手関節部の橈側皮静脈は極力避ける。(神経損傷リスクがあるため)

6.「手首からひじ側12㎝以内」も極力避ける。

針を刺した後に、特に注意したいのは、痛み(放散痛や電撃痛)、しびれなどの有無・程度の確認です。

それらの訴えがあった場合はすぐに抜去すること、抜去対応による改善の有無・程度の確認が重要です。

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